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中国に比べ、日本は公共交通機関におけるバリアフリーがかなり進んでいることは、中国から来た観光客なら、誰でも気づくことです。

これはある都営地下鉄のホームで見かけた多言語表示です。
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「エレベーターのご利用は、必要とされるお客さまを優先させていただいております。みなさまのやさしい心づかいをお願いいたします」とあります。

ところが、日本語ではこんなに長々とていねいな説明をしているのに、英語、中国語、ハングルはいたってシンプル。

なかでも中国語は、「敬请关照周围的乘客(どうぞ周囲の乗客に心づかいをお願いします)」。

この中国語は間違いというわけではありませんが、この文面だけみると、いったいどういうことをお願いされているのかな、と中国人なら感じるかもしれません。もちろん、上に車椅子やベビーカー、松葉杖、妊婦を象ったアイコンが描かれているので、わからないわけはないのですが…。

こういうケースでは、できれば以下の中国語の決まり文句を使うと、しっくりきます。

それは、高齢者や幼児、病人、障害者、妊婦などの社会的弱者を文字通り総称する「老弱病残孕」です。

ですから、これを使って「请照顾老弱病残孕」とすれば、短く簡潔なうえに、この表示の意図がすっきりと伝わります。

ちなみに、シルバーシートの中国語は「老弱病残孕专座」(「老弱病残孕」+「专座(専用席)」)です。
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by ramei | 2017-05-26 15:35 | 週刊「間違い探し」 | Comments(0)

このブログを始めて気がついたことがあります。おかしな中国語表示というのは、街角だけでなく、ネット上にもあふれていることです。

それは外国向けの情報を発信している企業のウエブサイトなどによく見られます。原因は、自動翻訳任せになっていることです。どんなに素敵なウエブサイトでも、自動翻訳任せの中国語をみると、ほとんど意味をなしていないケースが多いのに、そのまま放置されていることが気になって仕方がありません。

本ブログは特定の企業や個人を中傷するつもりはまったくありませんが、あるホテルのサイトを例に出してみます。

このホテルのウエブサイトは、英語、ハングル、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)の多言語表示ができるのですが、言語を切り替えると、そのページが自動翻訳されるしくみになっています。

トップページの頭にその旨了承してもらえるようにと、以下の中国文が載っていました。

「这个网页是被机器进行翻译的。翻译结果不可能100%正确。望您多理解而利用(このウエブサイトは自動翻訳を使っています。翻訳は100%正確ではありません。どうぞご理解ください)。」

この中国語もちょっと気になりましたが、それはともかく、最も残念だったのは、このホテルが提供する日本の伝統文化と和装の撮影サービスの紹介ページの自動翻訳文でした。

それはこのサービスの魅力を伝える核心部分にあたる以下のキャッチコピーです。

(日本語)「唐津での思い出に着物を着て記念撮影しませんか?」
(中国語)「在在唐津的回忆穿和服,不拍纪念照吗?」
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この中国語を目にしたときに、中国人に与えるダメージについては、これを翻訳ソフトで訳した日本語を見ていただくと、想像できるのではないでしょうか。

「唐津の追憶は和服を着て、たたかないでうつしを紀念しますか?」

「思い出を記念撮影に残す」というのは、中国語では「拍照留念」。こんな中国語で呼びかけるといいのではないでしょうか。

「大家何不穿着和服拍照留念呢?」

すべての文章を中国語にする必要はありません。写真を見れば、日本語がわからなくても、だいたいわかります。そのかわり、いちばん肝心なメッセージだけは、自動翻訳ではなく、中国人に頼んで翻訳してもらうというひと手間があるとないとでは、イメージが大きく違ってくるものなのです。
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by ramei | 2017-05-19 17:58 | 週刊「間違い探し」 | Comments(0)

最近、街中の商店や住宅街に、一種の「警告」のニュアンスを含む外国語表示が増えてきました。
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これはある住宅地のマンションの前に置かれた掲示板です。いったい誰に対するメッセージなのか? それは「ご注意」以下に書かれた文面にあるように「事故・盗難等」を含む不審者に対するものだと思われます。

ここには中国語で「监视着防止犯罪照相机」と書かれています。おそらく「犯罪防止のためカメラで監視しています」と言いたいのでしょうけれど、これは文法もおかしければ、「照相机」はカメラであり、動画を撮るビデオカメラではありません。相当ガッカリな中国語で、これでは本来の意図が正しく伝わらないのではないでしょうか。

では、この場合、中国語でどう伝えればいいのか。

一般にこういう「警告」文は、ストレートな表現は好まれず、防犯ビデオの存在を伝えるだけで有効です。だから、日本語は「防犯カメラ監視中」。中国語もそれでいいのです。右上にビデオカメラのイラストがありますから。

たとえば、

「有监视器」(監視ビデオがあります)

「24小时监视中」(24時間監視中です)

また、(一般にCCTVは中国の国営テレビ局の中央電視台のことですけれど)中国ではよく監視カメラのことを「CCTV」ということがあるので、

「CCTV有」(監視カメラがあります)

でも十分伝わります。

こうした「警告」を含む外国語表示は、もっとていねいな翻訳を心がけるべきではないでしょうか。そうでないと、場合によっては、差別的なニュアンスが伝わりかねないからです。

たとえば、掲示板の本来の意味を読み手にていねいに伝えようとすれば、

「为了你的安全 录像中」(みなさまの安全のためにビデオカメラで監視中です)

でしょうか。
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by ramei | 2017-05-12 11:11 | 週刊「間違い探し」 | Comments(0)

これは友人が高尾山に出かけたとき、見つけたものです。
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「想い出とゴミは持ち帰ろう」。なんという美しい日本語でしょう。

ところが、中国語は「不把垃圾扔掉,回去吧」。あえて直訳すると「ゴミを投げ捨てるな、立ち去れ」でしょうか。その語気の強さに一瞬ビックリです。

それに、中国語だけでなく、英語もちょっとおかしい気が……。

この看板をつくった方は、そんな命令口調で言うつもりなどなかったでしょう。なにしろ「想い出とゴミは持ち帰ろう」ですから。でも、この中国語表示には「想い出」に当たることばもありません。

このくらいの言い方がいいのではないでしょうか。

「请把垃圾和美好的回忆带回家」(ゴミと美しい想い出を持ち帰りましょう)

ここでは「想い出」より「ゴミ」を先に言っているのは、本来の目的がゴミの持ち帰りだからです。そのほうが中国人にはわかりやすいのです。

日本語の美しさに見合わない、あまりに雑な外国語併記はとても残念です。
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by ramei | 2017-05-04 10:48 | 週刊「間違い探し」 | Comments(0)